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足し算の栄養学と引き算の栄養学

当院でアレルギーや生活習慣病の患者さんを対象にした『生活習慣改善の取り組み』を続けている中で最近特に強く感じる事があります。健康になるために『足りないものは何であるのか』と考える人はたくさんいても、『余っているものが何であるのか』と考える人は本当に少ない、と言う事実です。
健康問題に関心のある方々の多くが『何かが足りないから、それを補う事で健康になろう』と言う思考回路をお持ちです。勿論足りない、或いは目減りして行ってしまうがために健康状態が悪くなるものがあるのは事実ですし、そう言ったものについてはそれらを補う事が健康にとってとても大事な事なのは確かです。
ですが『足りない』理由が『摂取量が足りない』ではなく『無駄遣いしている』からの場合はこの限りではありません。

例えば砂糖は、それを栄養として処理し代謝して行くために、大量のミネラルを必要とします。では甘いものが大好きな人にとってのミネラル不足は『ミネラルの摂取量が足りない』からなのでしょうか?ひょっとして『甘いもののためにミネラルを浪費しているから』なのではないでしょうか?だとすればミネラル不足は『甘いものを控える』事でかなり解決するのであって、わざわざサプリメントで追加する必要など実はないのではないでしょうか。

現代日本において『3大栄養素(糖分・たんぱく質・脂肪)が不足している人』など、極めて少数であって、逆に『3大栄養素を摂り過ぎている人』の方が圧倒的に多数です。そうでなければこれほど『メタボリックシンドローム』な人が増え続ける筈はないのです。そして摂り過ぎた3大栄養素を処理するためにビタミンやミネラルを必要以上に浪費し、『微量栄養素の栄養不足』が悪化して行く。その悪循環は最終的に生活習慣病の発症やアトピーなどのアレルギーの悪化へと繋がります。それを防ぐ為に今度はサプリメントを追加すると言うのはやはりどこかいびつな事のように感じます。

アクセル全開で走っている車のエンジンを保護するために高いオイルや添加剤を追加し、事故にならないように緊張の連続で運転を続けるくらいならいっその事アクセルを緩める、たったそれだけをすれば全てにおいて楽にコントロールが出来るのではないでしょうか。勿論時にはアクセルを踏み込んで急ぐ事が必要な事もありますが、そればかりでは持ちません。
『足りないモノがあるのではないか』と言う怖れに脅迫されるようにどんどんどんどん『足し算』をして行くばかりでは行き詰まります。『余ってるものがある可能性』を心の片隅に置いて『引き算』をする事で事態が改善する事は、特に今の日本のようにものが豊かな社会の中で生きて行く時には実はかなり多いのではないでしょうか。

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